見ためは少年ジャンプ!中身はXXX?:月刊ウォンブ!インタビュー



他のもできるだけ長く入れるから、プロレスも長く入れようって。実際見てみたらけっこう面白くて(仲原)

――次にDVDについてお窺いします。全ミュージシャンのライブ映像ってことですが、どんなかんじで収録されているんでしょうか?ダイジェストなんですか?

仲原:アーティスト各1組から1曲、それを出来る限りの長さで1月から11月まで収録されてます。全部で40曲。1月から4月までの動画はYoutubeにもあがってるんだけど、それとは違う曲を選んでます。

――煽りVTRみたいなのも毎回作ってましたが、それも入ってるんですか?

仲原:それは入っていないです。あれは現場にいないと意味分らないので(笑)

――あと、予告の映像だとプロレスのシーンもありますが、プロレスも収録されてるんですか?

仲原:全部入ってる(笑)

――プロレス全部入ってるんだ!たしか8月号ですよね。

仲原:(8月出演順最後の)ジオラマシーンのあと、唐突にプロレスが流れます(笑)

――なるほど(笑)対戦相手のチェロザマウンテンってどういう人だったんですか?

仲原:この人はプロレスラーなんだけど、フェスとかクラブとかのセキュリティ会社をやってる人で。6月に知人から、「お前いまプロレスのイベントやってるんでしょ?紹介したい人がいるんだけど」って言われて、紹介された。これは何かの縁だなぁと思ったので、やろうと。


[Youtube動画 カクバリズムより刺客現る]

――プロレスは自分発案で主導したんですか?

仲原:そうですね。でも、やる理由が無いので、無理矢理理由つくって。僕と敵対してもおかしくないカクバリズムっていうわかりやすい敵役を立てて、(レーベルオーナーの)角張さんにお願いして動画作ったり。僕が憎いから戦いに行こうみたいな感じに。お客さんにもわかりやすくああいう演出をして。

――でも練習はこなしたんですね。

仲原:生半可な気持ちじゃできないよ?って言われて、ガチで1ヶ月間トレーニングして…吐いたりしながら…実際そのときけっこう筋肉もついたりして、技もいろんな練習して。一通りのこと出来るようになりましたね。

――プロレスらしく見せ場があったりするんですか。

仲原:あります。構成は自分で考えたんだけど、自信ありました。

――アーティストの収録時間にもよりますが、プロレス1試合収録されているとなると、長尺使う印象を受けますが…。

仲原:プロレスが一番長いかも(笑)嫌だなと思ったんだけど、実際見てみたらけっこう面白くて。

――もう、ドキュメンタリーですね。

仲原:そうだね。編集の大石さんに1年間やったことは全部入れようって言われて。12月にやったカラオケ大会も実はエンドロールに無音で入ってるし。

――無音??

仲原:著作権とかあるので(笑)

――プロレスはドキュメンタリーぽいところがあるということですが、アーティストのところはどうなってるんですか。

仲原:ライブ映像に絞ってます。でも、あいだにはお客さんのメッセージが入ってたりします。

――DAXの映像見る限りでは、映像がかなり編集されている印象あります。

仲原:3カメ4カメくらい入れてて、それを全部ちゃんと編集してもらってるので、映像的にはクオリティすごい高いし、画質も音もいいです。

――お客さんのメッセージは毎月撮ってたんですか?

仲原:12月にまとめて撮りました。お客さんに、「トータル何回来ましたか?」「印象的な回はありましたか?」とか聞いて。


[Youtube動画 – oono yuuki-sahara @月刊ウォンブ! Vol.4]


10冊くらいは何にも知らない人が買ってくれるんじゃないかと思ってるんだけど、そこにすごい可能性を感じてて。ライブイベントに10人くらいうっかり来ることってあんまりない。(仲原)

――ミュージシャンはかなりインディーズの顔ぶれを総ざらいされてますが、ブッキングでは断られたりしてるんですか?

仲原:もちろん。断られたりもしてるし、タイミングが合わなかったり。平日なので動けないバンドもたくさんあって。

――さらに書籍のほうも、かなりバラエティに富んだ顔ぶれが入ってるじゃないですか。有名な方から無名な方まで。それっていつくらいから、どういった方に声かけていたんですか?

仲原:基準としては、ウォンブにフリマに出てくれたりとか、なにかしらで関わってくれてた人、知り合いの人で漫画を書ける人、知り合いの漫画家さんは全員声かけました。断られたりももちろんしてる。漫画だけじゃなと思ったので、僕がアーティストにインタビューしにいったり、原稿書いてもらったりとか。

――けっこうみんな出演者って乗り気で書いてくれたんですか?

仲原:みんな乗り気ではあったんだけど、原稿すぐあげてくれる人もいれば、苦悩してなかなかみたいな人もいました。

――じゃあ漫画雑誌のテイストをとっているけれど、読み物的な要素もかなりあると。

仲原:かなり読み応えあると思います。

――さっき、何かしら関わりがある作家さんと言っていましたが、皆さん繋がりがある方々なのでしょうか?

仲原:作家同士でのつながりはよくわからないですけど、音楽周りの人が多いのでどこかしらでは繋がってるんじゃないですかね。

――漫画家の方はウォンブのことも知ってくれてる人は多かったんですか?

仲原:知ってくれてる人は多かったですね。

――そこは理解があったんですね。ちなみに、本の見所ってありますか?

仲原:うーん…ジャンプもそうだけど、漫画雑誌って頭から全部見なくていいわけで。開いたところから読み始めてもいいから、見所は全部、手に取った人が気になったところ。(笑)毎月イベントで発表していた『ウォンブくん』については、1月〜12月全部入ってるのと、書き下ろしで入ってるのがあるので、イベント行っていた人には読んでほしい。

――12月にも1話〜12話すべて収録したものを配ってますよね?

仲原:それに加えて完結編みたいなものを描いてもらってます。あと、本秀康さんは約4年ぶりの新作を描いてくれてますし、長尾謙一郎さんも新作を描いてくれてます。

――それについてはニュースサイトでも大きく取り上げられていましたね。

仲原:あとはデザイナーの惣田紗希さんとか、はじめて漫画描いてくれてる方も多くて、そういう意味でも面白いんじゃないかと。漫画雑誌とは思えない。読んでると不思議な感覚になります。ジャンプとも違うし、サブカルチャーの漫画雑誌とも違うし…変な漫画の組み合わせ。

――ZINEみたいなものともまたちょっと違う?

仲原:違いますね。形がちゃんとジャンプだからかもしれないけど、すごい不思議。

――ジャンプっていうと、紙的にもぺらぺらな印象がありますが…。

仲原:もう少ししっかりはしてます。中質紙っていわれるものです。ジャンプはリサイクル紙だし、あれを使おうとしたら逆に高くなっちゃう。あれはジャンプみたいに大量に作るための紙で。

――でもそこは一回考えたんですね。

仲原:もちろん考えました。まあでも現実的じゃないってことで。近いような紙質は意識しました。

――ちなみに、カラーページもあるんですか?それとも白黒?

仲原:白黒で、頭にカラーページがあります。カラーページには、ライブ写真が掲載されてます。

――では、ウォンブの冊子の中にも、イベントの要素も入ってるんですね。

仲原:一応イベントをまとめたものっていうことにしてるから、インタビューとかの内容もイベントの話が多かったりするし、コラムもそういうかんじで書いてたり。けど、余計な説明は入れてないですね。ウォンブが何だったかとか。

――例えば、某音楽雑誌にありそうな、この時代における意味とか意義…的なものは入ってない?

仲原:全然入ってないです(笑)

――今のところ反応はどうですか?

仲原:よくわからないですね(笑)。いろんな書店が大きく展開してくれるのを見る度に感動しますね。しかも 地方の書店とかで。思い描いていた形に近い。

――どんな人に買ってほしいですか?

仲原:どんな人かな…ウォンブ来てた人はもちろん、ほんとにウォンブに来れなかった人たちでも楽しいと思うんでそれは見てもらいたい。単純に、いろんな音楽知るきっかけになるんじゃないかなあと思います。

――全国流通なんですか?

仲原:そこにこだわって作りました。イベントってその土地でしかできないわけで、流通できるものじゃない。だけど、こういう風に形に残して流通させることによって、手の届かなかった、というか予想もしてないところに届くんじゃないかなあって。普通に本屋さんが取ってくれて、書店にぽんって並んでて、それを何にも知らない人が買うって行為が起こりうるじゃん。それが千冊二千冊ってことは全くないんだけど、10冊くらいはおそらく何にも知らない人が買ってくれるんじゃないかと思ってるんだけど、そこにすごい可能性を感じてて。やっぱりライブイベントとかにうっかり10人くらい来ることなんてすごく少ないと思う。そこの部分がライブって敷居がすごく高くて、なかなか入り込めないんだけど、もしこういう形で興味を持ってくれたらすごい嬉しい。

――では、気軽に手に取って、買ってくれるといいですね。

仲原:ジャンプみたいに気軽に手に取って、値段見て「高っ!」ってなると思う(笑)気軽には買えない(笑)

――(笑)では最後に、意地悪な質問になってしまうかもしれませんが、イベントから10ヶ月経ってるわけですが、「今更?」みたいな反応はありませんでしたか??

仲原:僕が一番そう思ってます(笑)

CONTENTS INFO

月刊ウォンブ!

2014年10月10日発売
価格:3,780円(税込)
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