どついたるねん山ちゃん、格闘技デビュー・プレビュー!


 東京のスカム/パンク・バンド、どついたるねん。今年3月には全米ツアーを実施。また、今月完全18禁フリーライヴの模様を収録した『どついたるねんライブ』がHMJM(ハマジム)からリリースが決定。しかも、アダルトビデオ日本一決定戦「AVOPEN’15」へのエントリー作品!
 活動の幅を広げる彼らの直近のもう一つの謎。それがメンバーの山村想(山ちゃん)の格闘技イベント「ジ・アウトサイダー」への参戦である。週末7/19にジ・アウトサイダーでの試合を控えた今、6/23にHMVエソラ池袋店で行われた緊急参戦記者会見と7/1三宿WEBで行われた闘う放送作家・大井洋一との公開スパーリング(と松竹芸能スーパーササダンゴマシンによるプレゼンにどついたるねん等のライヴ)イベントを振り返りながらプレビューする。

文 / 小林ヨウ 写真 / 塚本弦汰

yamachann
 When the night has come/And the land is dark/And the moon is the only light we see/No, I won’t be afraid/No, I won’t be afraid/Just as long as you stand/Stand by me, so/Darling darling /Stand by me, oh stand by me/Oh stand(now), stand by me/Stand by me

 壇上でどついたるねんの山ちゃんが「Stand by me」を弾き語りしている。池袋のHMVで行われた彼のジ・アウトサイダー参戦記者会見。立会人として両脇に座る九龍ジョーとKAMINOGE編集長の井上崇宏が所在なげにそれを観ている。歌は結構終わらない。二番もきっちり歌う。歌詞終わったらハミングしている。まばらな観客の中で、それを聴きながら何度か体勢を変えた末、腕組みで落ち着いた九龍が、ジョン・レノンのヴァージョンでしたね、と最後に言った。

 アマチュア格闘技イベントとして定着したアウトサイダーだが、不良によるケンカの場、という旗揚げ時のイメージも強く残している。そうしたイベントへの参戦動機を「今年はいろいろやっていきたい」とふんわりしたまま主催者である前田日明にぶつけた山ちゃん。「負けてもそれはそれで面白いと思う」と言っていた彼も、本番まで一ヶ月を切って「勝たないと色々まとまらない」と周りの雰囲気を見て心境はそれはそれでで変化したよう。それでもまだちぐはぐしている。

 1週間後、三宿WEBで行われたイベントで放送作家・大井洋一との公開スパーリング。アウトサイダー参戦回数も多く、継続的にトレーニングしている大井はスタンディングもグラウンドも隙がない。山ちゃんの埼玉栄高校レスリング部仕込みのタックルは、ジャブとのコンビネーションで大井にも通用していたが、倒した後の攻撃については打撃・関節技ともに課題を残した。スパーリング前に煽りパワポでプレゼンしていたスーパーササダンゴマシンは、セコンドに入っていたが、スパーリングを終えた山ちゃんがアウトサイダーでの勝利を宣言します、と意気込みを語った瞬間だけは冷ややかなように見えた。

 その後のどついたるねんのライヴは3曲。iPhoneからオケを流した結果、低音が全然出ずパフォーマンスはぎこちない。元々2曲の予定だったようだが、最後追加で、山ちゃんがまた「Stand by me」を歌うので混乱して何か色々と考えこんでしまった。

 映画「スタンド・バイ・ミー」で、死体を探す旅の終わり、主人公は仲間を助けるためいくつも年上の不良に覚悟した顔つきで銃を向けることになる。少年が大人になる一歩を踏み出す通過儀礼みたいなこと。その構図は山ちゃんのアウトサイダー参戦にも重なるようにも見える。人を殴ったことがない、周囲の雰囲気を読み取り、メンバー内で最も心の優しいと言われる山ちゃん。スパーリングでも打撃は遠慮がちであった。そんな人が本番で勝つために相手の顔面を殴り倒すことがあるのかどうか。あるんだとすれば多分他の人の応援に応えるとかそういうことのためな気がしている。

 7月19日ジ・アウトサイダー。あなたが側にいれば人を殴れるのか。恐れたりしないのか。泣いたりしないのか。多分山ちゃん何にも考えてないと思うけど、勝ってリングで「Stand by me」歌ったらちょっとは笑えるかもしれない。

EVENT INFO

THE OUTSIDER 第36戦

日時:2015年7月19日(日)14:00開場(予定) 15:00開始(予定)
会場:東京 ディファ有明
販売席種:
VIP席・・・15,000円(最前列。大会パンフレット付)
SRS席・・・11,000円
RS席・・・8,000円
S席・・・6,000円
http://www.rings.co.jp/archives/7234